未分類1992.01.16

これが私からの最後のメッセージになります。

幼馴染は都内の大学に進学して、東京でひとり暮らしを始めました。
もう会う理由もチャンスもほとんどなくなって。
いつだったか一度だけ中学校の同窓会があったんですけど、幼馴染は来ませんでした。海外に留学したらしくて。当時は海外留学っていうと連絡もなかなかとれなくなるし、ほんとに遠い世界に行っちゃったんだなぁ……って感じでした。

私は高校卒業後もこの町に親と住んでて、毎日この駅を使ってました。たまに電車とか駅で同級生と顔を合わせたりして、そのうちこの界隈で一緒に呑む友だちもできたりして。ハシゴして呑んだら、最後は必ず、この駅前の通りの3階にあったスナックに流れるんです。
スナックってちょっと敷居高そうに見えるじゃないですか。でもそのお店は居心地よくて、少し背伸びできる感じもあって。だいたい私たちが最年少だったから、常連さんたちによくおごってもらいました。
深夜2時頃、スナックの閉店の時間になると、ママはいつもカラオケで同じ曲を歌うんです。間奏でママが「今日は来てくれてありがとう、またのお越しをお待ちしてます」って言ったら閉店の合図。それでみんな重い腰をあげて、それぞれの家に帰っていきました。

私はこの曲を聴くたびに、誰かのことを思い出していた気がします。

今日はここまで来てくれてありがとう。
会いたい、けど会いたくない、という私の願いは叶えられた気がします。

最後のお願いです。
改札の前に、公衆電話が2台並んでますよね。
その右側の電話の「東仕B……号」とあるナンバーを調べて、その下2ケタ(XX号)のパラグラフに飛んでください。

では、さようなら。