未分類1986.02.20

このあたりは学習塾がいくつかありますね。この町の子どもたちも、受験、という波に呑まれていって……。「いつまでも遊んでいるわけにはいかない」って意識がどこかにあった気がします。いつ頃からそんなふうに思うようになったんでしょうね。「遊んでたらダメだ」って。

私と幼馴染は中学までは同じ学校でしたけど、中学からは並木だけじゃなくて、駅の反対側にある、富岡のほうに住んでる子たちも混ざってくるんですよね。それで人間関係がだいぶ変わっていって。幼馴染とはいちおう仲は良かったんだけど、それまでみたいにしょっちゅう一緒に遊ぶようなことはなくなっていきました。
そして高校は受験でみんな散り散りになっていって。
私は地元の高校で、いっぽう、幼馴染は少し遠くの学校で、別々になったんです。同じ横浜市内ではありましたけど。
今思うと、私はだんだん孤立していったというか……。表面上は周りに溶け込んでるふうに見せてはいたけど、自分と、友だちと、町との関係が変わっていくことに、戸惑っていたのかもしれないです。
 
この先、大通りをまっすぐ行くとT字路にぶつかるんですけど、そこのコンビニよりもちょっと手前、左に入っていく自転車置き場があります。その中を進んでいくと、塀の上に「黄色い風車」があるはずです。それを探してください。小さいけど、きっと見つかると思います。