未分類1988.11.16

この道路の向こうに幼馴染の姿がちらっと見えたら、サッと自転車置き場のほうに隠れるんです。
でもバレてたかも……バレますよね……。

高校まで私はこの町だったから、この16号線を越えることは滅多にありませんでした。
横浜とか東京に、たまに遊びにいく時くらい。
それもだいたい家族か友だちが一緒だったから、ひとりで越えるってことはまずなかったんです。
でも幼馴染は、毎日ひとりでこの「境界」を越えてたんですよね。
それがまぶしいような、羨ましいような、置いてかれたような気がして。

歩道橋に上がってみましょうか。
もしも車椅子やベビーカーだったら、横断歩道で道の向こうに渡ってくださいね。

→【138】